コンビニの王者は言うまでもなくセブンイレブン。
決算を見てみるとセブンイレブンが営業利益が30%超えてるのに対して
ローソンとファミリーマートは10%程度しか営業利益が出ていない。
この差はどこから来るのだろうか?
僕はコンビニごとの商品の違いや
ディスプレイの違いなどは正直わからない。
(お弁当はセブンが1番おいしいと思うけど)
もちろん商品にも違いがあるとは思うけど、
(そしてそれはデータベースやマーケティングに裏打ちされたものでしょう)
ここまでの利益率の差につながるとは思わない。
じゃあなぜこれだけの差が出るのか?
(なおコンビニ大手3社の決算はこちらのサイトから引用しました
http://lite.blogos.com/article/105418/)
秋田への出店を遅らせたセブンイレブンと全国展開を優先したローソンとファミマ
僕が秋田に来たのは2009年。
当時はセブンイレブンは秋田県に1軒もなかった。
できたのは2012年頃だったはず。
しかも1番最初にできたのは秋田市(県庁所在地)ではなく
横手市(県南で山形県や岩手県に1番近い市)なのだ。
(ちなみに初セブンができた時コンビニの前に行列ができた笑)
一方、ローソンとファミマはすでに秋田県にあった。
(ローソンは秋田市以外にもあった)
このセブンの戦略はランチェスター戦略と一致している
ランチェスター戦略という言葉を聞いたことある人は多いと思います。
ビジネスにおけるランチェスター戦略とは簡単に言えば
「お店を複数店舗出店する時は近場に出店してその地域での競合優位性を出すこと」
(ちなみに中小企業が大企業に立ち向かうためにもこのランチェスター戦略は必須と言われています)
近場に出店する理由は無駄なコストを減らせるからです。
具体的に言うと配送費です。
同じ10店舗に商品を届けるにしても店舗ごとの距離が近い場合と
店舗ごとの距離が遠い場合では配送費が全く異なってきます。
特にコンビニのように商品を定期的に(と言うよりも1日に何回も)配送しなければならない場合
このような固定費は一度かかってしまうと今後大きく減らすのはほぼ不可能です。
(なぜならコンビニは扱ってる商品はほとんど同じで価格も値引きがほぼできないからです)
セブンの場合秋田県という遠方にお店を出店するのを遅らせることで配送費を減らしたのです。
そして岩手県の延長としてちょっとずつ配送できるエリアを増やしていった。
しかもさすがセブンだなと思うのは、秋田市に出店したら
途端に半年位で一気に10店舗ぐらいお店を出した。
こうすることで秋田市においてもランチェスター戦略を発揮することができますよね?
(秋田県においてはセブンイレブンは後発組なのでランチェスター戦略をとる事は弱者の兵法という意味でも理にかなっています)
一方県北の能代市には未だにセブンイレブンがありません。
ランチェスター戦略を徹底してますね。
一方ローソンやファミマは常に配送コストが高くついているので
常に高い営業利益を残すことができません。
ローソンやファミマはセブンイレブンより先に地方にコンビニを開きましたが
セブンイレブンは高い営業利益で築いた資産を元に一気に秋田県に攻め込み
秋田でのシェアを奪い返そうとしています。
大企業の話しなので実感がわかないかもしれませんが、
個人事業や中小企業の社長さんも
このランチェスター戦略の発想はぜひ持っておいてください。
なおランチェスター戦略には配送コスト以外の別の側面もあります。
その地区でお店の数が増えれば
それだけお店を目にする機会が増え
認知率が上がります(ブランディングにプラスに働きます)。
この「お客さんへの印象」というプラスの効果は
来店を増やすためには効果的ですが利益率を上げると言う意味では必ずしも有効ではありません
(「セブンにきたからローソンよりもいっぱい買おう」と言う気持ちにはならないですよね?)